ゲーム廃人の隠れ家

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「仁王」レビュー

イギリス人が戦国の日本を舞台に妖怪と戦うアクションゲーム「仁王」

つい先日感想をupしましたがクリアしましたのでレビューしていきます。

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 これはダークソウルやブラッドボーンのコピーではない

私が仁王を買ったときに言われたんですよ。「これダクソのパクリでしょ?」確かにそういわれてもおかしくないです。「死にゲー」をコンセプトに製作された本作は既存の死にゲーとゲームの基本的な流れが変わりません。敵を倒して経験値を得て、それを使って好きなようにレベルアップする。だが戦闘中に死ねばその経験値は0となり、その経験値はフィールドに落っこちているものの回収に失敗すると完全消滅してしまう。ではなぜ仁王が既存の死にゲーのコピーではないと言えるのか?その理由の一つとして仁王独自の成長システムにあります。ゲームの基本となる流れの中に成長要素が存在しますが、この成長要素はプレイヤーが操作する主人公そのものに限った話ではありません。仁王には主人公はもちろん武器、防具、スキルなど様々な成長要素が存在しており、ゲームをやりこめばやりこむほど強くなり、その成長の選択肢は増えます。尚且つ、この選択はいかなる状況でもプレイヤーは行うことが可能です。ゲームが中盤でも、終盤でもいつでも可能です。ゲームを始めたころはただ敵を斬りつけるだけだった主人公が、いつしかまるで忍者のような素早い動きを得意とし敵を翻弄させられるものになれれば、重い一撃にフォーカスしたキャラクターにもできる。これは私の主観的な意見だがダークソウルのようなゲームのクリアまでキャラの変更を促さない死にゲーに対し、仁王ほどプレイヤーに成長の自由をいつでも提供してくれる死にゲーは既存の死にゲーと差別化することに成功しているでしょう。

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気の抜けない戦闘

死にゲーであるがために戦闘は仁王で最も重要なシークエンスです。序盤から敵が容赦なくプレイヤーに襲い掛かります。仁王では刀、二刀流、槍、斧、鎖鎌の近接武器のほかに弓、火縄銃、大砲といった遠距離武器、手裏剣や御札といったアイテムのおおまかに3つのジャンルに分けられた装備を使いこなして戦闘を行います。それに加え近接武器には上段、中段、下段という3つの構え方が存在しており、上段は隙が大きいもののダメージが大きいパワー型、中段は隙が少なく、ダメージもまずまずといったバランス型、下段は隙が無く、ダメージは少ないものの速い攻撃を充てることが可能なテクニカル型という以上のものをプレイヤーは使いこなさなくてはなりません。それも戦う場所によってはかなり不利になる構えが存在することからゲーム中ずっとバランス型である中段で押し切ることは難しいでしょう。この要素は使いこなせるようになると非常に楽しい要素でゲームをやりこむと武器の新しい技やコンボを身につけられることから中段から上段に構えを変え、追い打ちをかけることが可能であったり、そこから追い打ちをかけたのちに下段でさらにダメージを与えるなどといった戦略性の高い戦闘が実現されています。ですがそこに絡んでくるのが気力といういわゆるスタミナゲージです。これはアクションを起こすほどゲージが減少しますが、その後は自動回復します。これは近年のアクションゲームによくある要素ですよね。ここでさらに仁王独自の要素として残心と呼ばれるものが絡んできます。これは消費したスタミナを瞬時に回復することができる要素でこの要素があるおかげで仁王の戦闘はより深みを増したものとなったでしょう。もちろんですが、これらの要素はプレイヤーのみならず、敵に対してもまったく同じように絡んでいるのでまさに真剣勝負と呼ぶに相応しい設計となっているなと感じました。そしてこの戦闘システムがまた既存の死にゲーと差別化できている一つの要因なのでしょうね。

 

仁王の肝となるボス戦

仁王が最も映えるシークエンスというのがボス戦でしょう。道中の雑魚敵ですら本気で襲い掛かるのにボス戦なんてもっと本気です。でもそれが仁王の良いところで本当の真剣勝負というものをプレイヤーに見せつけるには最も効果的なシークエンスであるが故にプレイヤーには道中の攻略以上の集中力を引き出させてくれます。道中の敵でさえもスピード感のある戦闘を有するこの仁王でボスは攻撃の隙を与えてくれないくらい容赦ない。破壊力の高いボスたちがこれほどまでにスピード感のある戦闘を提供してくれるのはプレイした私も満足しました。攻撃の隙がないと前述したが、リトライするうちに必ず攻撃のチャンスというのが見えてくる本作。この点はほんとよくうまくバランス調整したなぁと感心するレベルです。これらを踏まえ、死んだときのストレスが一気に晴れるかのように仁王のボス戦というのはかなりの達成感をプレイヤーにもたらしてくれます。じゃあ全然ボスが倒せる気がしないと感じたらどうすれば良いか?そこで登場するのが守護霊というものです。これはプレイヤーのステータスを一定時間上昇させたり、攻撃そのものを強化して大ダメージを与えるなど効果は様々で攻略には必要不可欠なものとなるでしょう。とはいえこれがバランスブレイカーになるのかといえばそういうわけでもなくてしっかりと立ち回ることができない限りは無駄骨となるでしょう。この点のバランス調整もうまくできているのでチート級の力は発揮するもののバランスブレイカーにはなることがないので安心して死にゲーを満喫することができるでしょう。またそれでも難しいと感じるならば、協力プレイでオンライン上のプレイヤーを呼び出して共闘することも可能です。とはいえそれでも難易度が高いのは変わらないのですが...

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まとめ

 

主に戦闘に関することをメインに書いたものの個人的に仁王のミッション構成はパーフェクトだと思っています。適度に難しく作業を前提としてしていない仁王のスタンスはかなり好きです。尚且つレベル上げや装備の厳選などの大抵、単調に思わせる面白くないシークエンスを面白く仕上げている仁王は12年の開発期間を無駄にしていない出来と言えるでしょう。手ごたえのあるアクションそのものは触っていて単純に面白いのに見ているだけでも面白いと感じさせるこのゲームのビジュアルも近年のゲームにおいてトップクラスに良いと思います。海外で今年のGOTY候補として話題を呼び、正直「クソゲーだろうなぁ」とベータをプレイした私が何も期待せずに買ってきた仁王は今のところ今年のマイベストゲームであり、私が今までプレイしてきた戦国時代をテーマとしたゲームの中でもベストになった仁王に感謝。素晴らしいゲームでした。

 

9/10

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長々と書いてきましたが読んでくれてありがとうございました。