ゲーム廃人の隠れ家

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「Horizon Zero Dawn」レビュー

3月9日発売の全世界待望

ゲリラゲームズ最新作「Horizon Zero Dawn」

クリアしましたのでレビューしていきます。

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よくあるストーリーだが完成度が高い

今作のストーリーの流れをざっくり説明すると

主人公のアーロイはノラ族の異端児として族の人間から差別を受けながら生活していた矢先、族の戦闘員になるための試練を受けることになる。だがその試練の最中に何者かに襲撃されアーロイは致命傷を受けることになります。生死をさまよう中でアーロイは"女神"の力によって奇跡的に回復し、その流れでノラ族の使者となりまだ見ぬ世界へと冒険をすることになります。なぜこの世界に機械の獣が現れたのか?アーロイは何者なのか?襲撃者の目的は?

というのがざっくりとしたストーリーとなります。

このストーリー自体はわりとよくあるものだなと思っていた身としてあんまり期待はしていなかったのですが、物語を進めていくうちになかなか面白い展開になっていて気が付いたら虜になってました。この手のストーリーラインって最近だとテンプレ化していて展開が読めるものでありあまり面白くないんですよ。でも今作のストーリーは良い意味でややこし過ぎてて理解するまでがちょっとばかり難しいんです。表面的に見れば簡単なのですが、完全に理解するにはゲーム内に存在するデータスポットと呼ばれるアイテムを読み取って理解するしかないでしょう。それほど今作のストーリーは丁寧に作られているのではないでしょうか。

そのストーリーを際立たせる演出

今作のストーリー自体面白いなと思っている身ですが、そのストーリーに花を添えるのが演出です。あんまりネタバレにならない程度に書きますが今作のオープニングなんかは圧巻という言葉がお似合いでしょう。まるで映画「某百獣の王」を彷彿とさせるような演出は今作の世界観をオープニングだけで説明することに成功しています。決してそれがパクリというわけではありませんが、その演出をオープニングで見せられちゃその後も期待しちゃいますよ。そんな期待を裏切ることもなくエンディングまで魅せてくれた私は終わってしまうのが恋しかったぐらいです。それほど今作の演出というのは燃えましたね。

崩れることのないゲームプレイのテンポ

オープンワールドRPGであることから今作は広い世界を冒険することになりますが、大抵のオープンワールドというのは毎度毎度同じ景色を見せられ冒険しても面白みがないんですよ。ですが今作の場合プレイヤー自身にはアーロイという主人公を通して新たな世界を発見させるという目的が与えられます。そんなアーロイは我々がよく知るものを知らないような人間です。例えばパソコンであったり、スマホであったり、それこそ我々の身近に存在する電子機器等はすべて知らないようなアーロイが突然未知の世界に身を任せるわけですから世界での発見1つ1つが新しい発見なわけですよ。そのアーロイの姿を見たプレイヤーも同時に新しい発見を体験できる。それがあって探索が非常に面白いと感じれるのです。

それに加えて今作のコアとなる部分である戦闘シーンも非常に面白いのです。しかもその戦闘がこの世界ではいつどこで起こるのかというのがわからない。自分が突然森を探索していたら罠に引っかかってステルス迷彩を搭載した「ストーカー」と呼ばれる機械獣が襲い掛かったり、砂漠地帯を走っていると突然鳥型の機械獣が襲い掛かったりとまさに弱肉強食な世界でサバイバルする感じが非常に面白かったです。戦闘自体が難しいわけでもなかったのでその点もゲームのテンポを崩さずうまくまとまったなと思います。それに加えて前述した演出が随所に存在するので気が付けばプレイに夢中になっていましたよ。

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コアとなる戦闘シーン

ではコアとなる戦闘シーンは正確にどうなのか?非常に面白いと前述しましたが実際戦闘はシンプルなように見えてかなり奥が深いというか思いのほかできることが多いなという印象です。なぜかというと主人公が使う武器は主に近接武器の槍と遠距離武器の弓です。その中にも種類がいくつかあるのですが槍だと弱攻撃、強攻撃、オーバーライドという敵をハックして味方にする主に3つの用途があります。対して弓はノーマルの矢、炎の矢、電撃の矢、氷の矢、部位破壊用の矢など様々なジャンルの矢が存在しており、皆さんの良く知る弓を弾いて矢を放つという具合に使います。ほかにも紐が付いた矢があり、これは罠を仕掛けるほかに敵に打ち込みそれを地面と固定し、敵の動きを封じるということができます。もちろんこの罠を仕掛ける矢にも属性が存在しており思いのほか自由度が高い戦闘が可能でした。

 

それに加え敵である機械獣には部位破壊という要素が存在しており、部位破壊をすることで敵の心臓部分が露出したり、武器が取り外されそれをこちらの武器とすることも可能です。この点戦闘に深みが出て常に考えつつ矢を放つのに面白みが生まれて、いかなる戦闘でもこの面白みがあったと感じます。例えばこんな感じ↓

 

そしてこの矢を放つという行為。個人的にこの行為そのものがかなり気持ちよかったです。矢の一つ一つが触っていて気持ちいと感じるのはなかなかすごいなと感じます。文面だけじゃわかりにくくて何を言っているんだと思われますが、これほんとにすごいんですよ。

戦闘前に罠を仕掛けて計画的に戦うも良し。

ごり押ししても良し。

ステルスで音もなく仕留めるも良し。

ほんとに自由な狩りを提供してくれる本作は純粋に楽しいと言える戦闘を楽しめるでしょう。

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生きている世界

オープンワールドとはいえ今作は荒廃した世界で弱肉強食の社会が存在しております。荒廃した世界というとイメージとして何もないというのがあるでしょう。ですが今作にはそういうことはありません。どういうことかというとこの世界には人間、動物、機械という主に3つの生き物が存在していてその中にもいくつかのグループがあります。そのグループもこの世界で生きるために試行錯誤して生存しています。動物は群れをなして草を食べ、人間はその動物を狩ってそれを食とする。というようにこの世界の各所で各々が生きるためにという目的のもとで様々な行為を行っています。

これらの行為をアーロイを通してプレイヤーは目撃することでプレイヤーは様々な感情を抱くことでしょう。これらの行為を観察するのもひとつ今作の楽しみでしょう。これもまた今作の飽きさせない工夫なのではないかと私は思います。

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フォトモード

最近のゲームではフォトモードというゲーム中の出来事を自分の好きなようなアングルからスクリーンショットを撮ることができるモードです。これに関しては説明するより見てもらったほうが早いのでいくつか貼っておきます。このような写真がいつでも好きな時に撮れます。しかもゲーム内の時間帯関係なく(これ重要)

仮に戦闘が昼だったとしても夜に設定して写真が撮れちゃいます。なかなかすごくないですか?

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残念だった部分

いまのところ良い部分をメインに書いてきましたが、残念だった部分もいくつかあります。

その一つとしてサブクエストの「狩場」これは自分のスキルを試すようなクエストで成果次第で報酬が変わるというのですが、その目標物が所定の位置にいなかったり、フィールドそのものがオープンなので目標物が簡単にどこかへ旅立ってしまうことがしばしば。このパートはもうちょっとうまくまとめてくれればよかったなぁと思います。

そしてもう二つ目。それが装備です。弓も防具もそうなのですがいろんな種類が存在するのです。ですがどれも見た目が近くてあんまり面白みがある見た目になれないなとちょっとがっかりしました。もっと種類があればなと思います。

3つ目にボス戦です。ボス戦といってもメインクエストのボスですね。このボス戦が毎回毎回同じような敵なんですよ。迫力あって面白い戦闘にはなるんですけど見た目があんまり変わらないものだからここもちょっと頑張ってほしかったです。

最後にRPG要素です。RPGの基本となるレベル上げが作業に感じない程度のゲームプレイは良かったのですが、レベルを上げた際にスキルをアンロックできます。そのスキルにあんまり魅力を感じることができなかったのはちょっと残念でした。どれも地味なものとは言いませんが、ありきたりのものばかりで中にはこれスキルに入れるべきかな?と思うものもありました。スキルだけではなく全体的に見ればRPG要素が弱いかなと思います。もうちょっと強めにしても良かったでしょう。

まとめ

新規IPのゲームとしてかなりの不安要素を抱えていた今作でしたが、ふたを開けてみればテンポの良いゲームプレイと夢中にさせる登場する機械獣のモデリングは時間を忘れさせてくれました。世界そのものもありきたりな世界ではなく毎回新たな発見をさせてくれたのもまた面白かったです。ちょいちょい物足りない部分はありましたが全体的に見ればうまくまとめられたゲームだと思います。触る価値は十分にあります。RPGだからと敬遠する人でも十分に楽しめる作品であると言えるでしょう。もし私がこのゲームを買うべきかと聞かれれば即答でYESと答えるでしょう。

8/10