「Marvel's Spider man」レビュー
だいぶ久しぶりの投稿となるが9月6日にローンチを果たした
「Marvel's Spider-man」
久しぶりに期待していた作品ということでデジタルデラックス版を購入し、トロフィーコンプリートまで遊ばせてもらったので軽いレビューをしていく。
今作の開発はインソムニアックゲームスが担当しており、代表作に「ラチェット&クランク」「サンセットオーバードライブ」が挙げられる。私はこれらの作品の大ファンであり、今回のスパイダーマンには大いに期待していた。「ラチェット&クランク」で大いに名を馳せ、「サンセットオーバードライブ」では彼らの理想とするゲーム作りを見た私がスパイダーマンのふたを開けて感じたのは「マーベルらしさ」であり、決してインソムニアックゲームスが実現させたかったゲームではないように思えた。
実際のゲームプレイは基本的にスパイダーマンを操作してニューヨークを縦横無尽に駆け巡りながら犯罪を止めるの反復である。その過程でプレイヤーにはスパイダーマンのガジェットと肉体を用いた気持ちの良い移動シーンと戦闘シーンが用意され、最初のうちはだいぶ楽しいと感じた。移動シーンは特に最初から最後まで楽しい。しかしながら後半になるにつれて自身のパワーアップによりゲームはかなり単調となる。自動で戦闘してくれるガジェットを取り出せばプレイヤーはコントローラーを置いてでも戦闘が終わる。そしてまた次なる犯罪現場へ向かう。このループを虐げられるゲーム後半はコントローラーを投げたくなったものだ。
ゲームの核となるシステムは極めて新鮮味がないのでストーリーに期待するしかなかった私はストーリーミッションに没頭したものの私から笑顔は浮かぶことがなかった。ストーリーの補完をするために用意されたヒロインやキーパーソンのステルスシークエンスは近年稀に見るほどひどい。プレイヤーは移動するほかにオブジェクトにインタラクトすることで敵をおびき寄せるなどのアクションを行える。尚、攻撃等はできないため基本的には用意されたゴール地点まで見つからずにたどり着く必要がある。ましてやストーリーの最中「このシーン無理やり作っただろ」と言わんばかりにこのステルスシーンがいくつも存在する。もう私にこのゲームは耐えられない。
このゲーム総括してみればしっかりと遊べるゲームである。オープンワールドの街の作り込みは今のところ今年一しっかりと作り込まれており、ゲームの随所にはシリーズファンなら唸るイースターエッグもしばしばあり、それを探すのはとても楽しい。移動しているだけでも楽しいと感じるゲームは久しぶりであった。しかしながら過去のいろいろなゲームのコピー&ペーストでしかない戦闘シーンとゲーム構成は極めて面白みを感じない。明らかにファン向けの作品だなと感じる。私の期待していた「Marvel's Spider-man」は明らかにマーベルの作品であって、インソムニアックゲームスの作品ではなかった。既にソニーのファーストパーティタイトルでバカ売れしている今作は次回作では独自のユニバースを展開してほしい。
Good Point
・移動の気持ちよさ
・随所に散らばるイースターエッグ
・親切なローカライズ
Bad point
・戦闘のつまらなさ
・必要のないステルスシークエンス
・判定のふり幅の大きいチャレンジミッション
・イベントバトルとしか感じれないボス戦